漢方相談ビフォーアフターを紹介するコーナーです。
都内在住、61才・専業主婦の方のご相談です。52才の閉経後、数年が経つ頃から、デリケートゾーン(膣部)の乾燥感と、むず痒さで悩み始める。
体質そのものを改善できる漢方で何とかならないものかと、遠方から問い合わせを頂き、今年始め頃に相談に訪れた。
初回相談時は口数が少なく、詳しい症状までは把握できなかったが、膣の洗浄や女性ホルモン剤(膣錠)なども行ってきた。抗生物質の服用指示などもあったとのこと。投薬中は症状を抑えこめるが、再発の繰り返しで、体力的またメンタル的にも、しんどい日々を送っていたという。
萎縮性腟炎は、卵巣機能が低下する閉経前後~更年期の女性に多く、女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、腟粘膜が萎縮して発症する。
また腟内のpHが上昇して、酸性からアルカリ性に傾き、自浄作用が低下するため炎症が頻発する。
ご婦人の場合、不正出血はなかったが、腟や外陰部の痒み、乾燥の他、不定期で臭気を伴う淡黄色のおりものがあった。
一部で報じられる女性ホルモンの発癌性などを懸念し、一昨年前から漢方に興味を持ち始める。
漢方的に炎症の背後には、「血(けつ)」による滋養低下と、「津液(しんえき)」による潤い不足が隠れているケースも多い。
膣の乾燥(ドライバジャイナ)他、ドライシンドローム(ドライアイ、ドライマウス、ドライスキンなど)に対し、漢方・中医学の力が発揮される場面も少なくありません。
ご婦人の場合、主訴以外に、日常的に目の乾燥感(ドライアイ)でもお悩みでした。漢方で、質の良い血分を増やす「補血」及び、炎症防止と潤い対策の「補陰」の以上2種類の漢方薬を組み合わせ、ご案内致しました。
ある漢方医の言葉に、気の改善は3週間、血の改善は3ヶ月、体質改善は3年とある。
「血の道」に通じる骨盤内の症状ゆえ、まずは近い目標で、3ヶ月は頑張ってみましょうとお伝しました。
ご婦人にとって今回の漢方服用の結果、更年期対策も兼ねた、一石二鳥となったようご様子です。
既に漢方服用開始8か月が過ぎますが、以前よりも疲れにくく、ご本人曰く「お陰様で、近頃おばちゃんパワーを発揮できてますヨ!」との嬉しいご報告。
飲みやすく漢方の服用が朝晩楽しみで、習慣として定着しつつあるようです。
お孫さんの世話や、家の用事が立て込んで、ストレスや寝不足の続く際、一時むず痒さが再燃しそうになります。
しかしここ数か月、症状に多少の波はあるものの、以前のような下着のこすれるような嫌~な違和感と、乾燥もずいぶん和らいできたそうです。
何よりこの半年、病院まで出向くこともなくなったとのことです。
何事も継続は力。コツコツ続けること、大切ですね!
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